四文字熟語ドラマ引用編その４

2022年10月15日 2022年10月15日

ソフトウェア工房孫風雅運用者

ソフトウェア工房孫風雅インターネット活用応用事例　四文字熟語編その４（インターネット検索とドラマ視聴経験の融合について）

中国ドラマ”三国志”引用PART２

”三国志”に関する以前の投稿では、所謂、蜀の国、劉備一行に関する四文字熟語をLIST UPしました。三国志は、その名の通り、古い時代の中国の、三つの国のお話です。そこで、今回は三国の内の二国目、魏国に関連する四文字熟語について、LIST UPしたいと思います。

背水一戦：（＝背水之陣：はいすいのじん）：決死の覚悟で戦いに挑む事と説明されています。切羽詰まって、一歩も後には引けない、ギリギリの状況との説明もありました。また、その様な状況にワザワザ身を置いて、必死に物事に取り組む事ともありました。元々は、川を背にした状況でその場に陣を敷いて、退却できないようにした上で必死に戦う例えから生まれた四文字熟語の様です。
大器晩成：たいきばんせい：大きな器を作るのには時間が掛かるという事から、偉大な人物は大成するのに長い年月を要する。往々にして他の人より遅れて頭角を現すという例えの様です。
形影相弔：けいえいそうちょう：”形影相弔”は”形影相吊：けいえいそうちょう”とも言われる様です。非常に淋しいことを指しているとの説明がインターネット上にありました。
鶴立企佇：かくりつきちょ：心の底から待ち望むこと。 ”企”は足の踵を上げて、つま先立ちする事であり、 ”佇”は待ち望む事を表し、鶴が首を伸ばしてつま先で立つ姿を、人や物を待ち望んでいる様子を例えた事の様です。
老蚌生珠：ろうぼうせいしゅ：ごく普通の親から優れた子が生まれる事であり、年を取ってから子が生まれる事も意味している様です。日本でよく言われる、鳶が鷹を生むのと同じ意味の様です。
破竹之勢：はちくのいきおい：竹が割れるように、遮りようのないほど勢いが盛んな様の例えの様です。また物事が勢いよく順調に進む様との説明もあります。戦いなどに、次々と勝ち進む様子の例えとの情報がインターネット上にありました。
禰衡一覧：でいこういちらん：禰衡一覧という言葉は”記憶力が極めてよいこと”を意味している様です。つまりとても記憶力が良い人に”君の記憶力は素晴らしい。禰衡一覧だ！”という感じに使うとの説明がインターネット上にありました。
老驥伏櫪：ろうきふくれき：一般的には、事業を大きくし、成功し名を挙げた人が、一線を退いていても、なおやる気満々の場合等の例えの様です。人が年老いても、なお若者と変わらぬ大志を抱く事とも言われている様です。元々は、年老いた駿馬が活躍の場を失い、馬屋に伏していながら、なお若いころの千里を駆ける志を捨てない意味とも言われている様です。また、能力のある人が、それを発揮する事なく老いる例えとしても用いられる事がある様です。
得隴望蜀：とくろうぼうしょく：一つの望みが叶えられると、次の望みが直ぐに起こってくる事を意味していて、欲望には際限が無いという事の例えの様です。

背水一戦：背水之陣：背水の陣の例として有名なのが、韓信の井陘（せいけい）の戦いでは無いかと思います。井陘の戦いを知らなくても、韓信というと、項羽と劉邦が戦っていた、遠い昔の中国で漢の初代皇帝である劉邦の部下であったのが韓信将軍です。また韓信の股潜(またくぐ)りと言う諺を聞かれたことは無いでしょうか？井陘の戦いでは漢国軍と趙国軍との戦ですが、当時の両軍の兵の数が３万人（漢国軍）対２０万人と圧倒的な差で、普通であれば、数の多い趙国軍が勝つと思われますが、これを兵法に通じていた韓信が孫子を引用した上で、圧倒的戦力差をヒックリ返して勝利した時のエピソードが、背水の陣と言われています。

講師が”背水の陣”を魏国にLIST UPしたのには意味が有ります。

一つは他の二か国では背水の陣と国名で検索しても、該当するものがありませんでした。一部、蜀国と魏国とが漢中で争ったとき、諸葛亮孔明が使用したとの説もありますが（ゲームや漫画の中での話の様です）、元々、戦力差がインターネット上の情報によると、１２万（蜀軍）対２０万との事であり、本来であれば、背水の陣をしく意味がほとんどない戦いに思えます。

もう一つは講師が逆に注目している、曹操軍と袁紹運との戦いである、”官渡の戦い”の存在です。単純にこちらの戦力差は約４万（曹操軍）対約３０万（一説には５０万）と圧倒的に不利であり、この不利な状況を引っ繰り返して勝利したのが、”官渡の戦い”での曹操軍でした。

直接の勝因は背水の陣の様なエピソードでは無いと思いますが、ある意味、絶対的な不利の中、あらゆる手を使って、全てをひっくり返し、勝利するというのが、背水の陣に相通じるものが有る、と講師は感じています。ドラマの中ではこう言った手練手管な曹操の様子が旨く描かれていたと思います。

大器晩成：インターネット上の情報では、曹操配下の”朱霊”という武将の事が、例に挙げられていました。この武将は元々は袁紹の部下だったようですが、一度、曹操の軍を助ける様に主君である袁紹から言われて（曹操軍対袁紹軍の戦さである”官渡の戦い”以前の出来事の様です）、一緒に戦ったのち、主君を曹操に変えたとされていました。（この辺りはドラマの中で描かれていたかは？です。）

”朱霊”は曹操の配下になった当初はあまり芳しい戦果が挙げられなかったようですが（むしろ、与えられた自軍内の反乱を招き、大目玉を…との情報が有りました）、その後、徐々に結果を出せていたようです。然しながら、曹操からの評価は？だった様で、曹操が没するまでは、諸侯や王等に封じられる等、賞される事はなかったようです。然しながら、曹操の次の魏王である曹丕によって、諸侯と封じられたとの説明がインターネット上にあります。この意味で、”朱霊”将軍は大器晩成といえるのかもしれません。（因みに同将軍は曹操から魏国で三代に渡って仕えたとされています）

後半の”朱霊”将軍の活躍は、ドラマ内でチョコチョコ描かれていた気はしますが、曹操軍は如何せん、他にも勇将が多いため、それほど目立ってはいなかった気もしています。

形影相弔：漢字の意味は、影と自分がお互いに弔う、ということの様です。曹操の息子の曹植の詠んだ詩に出てくる四文字熟語との説明がインターネット上の情報で出てきます。

ドラマの中では曹丕が弟である曹植の文才に恐れをなして、いろいろ画策する描写が有ります。その中で曹植は幾つか詩を詠む下りが有り、この四文字熟語が該当していたかは記憶が定かではありませんが、それらしい描写は複数、出てきていた気がします。

鶴立企佇：この四文字熟語も”形影相弔”と同じで、インターネット上の情報によると曹操の息子、曹植の詩に詠まれた、四文字熟語と言われているようです。ドラマでの描写は”形影相弔”同様です。（曹植が詩を詠む描写は複数回描かれており、該当するかどうかは、記憶が定かではありません）

老蚌生珠：ごく普通の親から優れた子が生まれること、年を取ってから子を得ることも意味する様です。魏の曹操に仕えて、孔融（コウユウ）（孔子の子孫といわれています）が友人の夷端（イタン）に宛てた手紙に、夷端の二人の息子を讃えた言葉として伝わっている四文字熟語の様です。（二人の息子、長兄と次男について、文に秀でた優れた人物と称えた時のエピソードが元との情報がインターネット上に掲載されています）

破竹之勢：魏の国が蜀を滅ぼした後、残った呉国を征伐しようとした時の、戦の勢いを表した、言葉の様です。

禰衡一覧：禰衡一覧とは記憶力が極めてよいことの例えの様です。 ここで言う、”禰衡”というのは人の名前だそうです。

中国後漢の禰衡は、蔡ヨウの碑文を一度しか見ていないにも関わらず、欠けてわからなかった二文字以外を、後で再現つまり、全て書き表したという故事から成り立ったとの説明がインターネット上にありました。曹操のお膝元の、”許”に禰衡は居を構えていて、孔融に曹操への推薦もされながら、直ぐに仕官しなかったというエピソードがある様です。

老驥伏櫪：魏の曹操が後年詠んだ詩に、”老驥伏櫪、志千里に在り”という詩があり、自らを英雄と自負していた曹操らしい言葉との評がインターネット上にありました。

得隴望蜀：曹操が、隴の地を手に入れた時、部下の司馬懿が”蜀の地も攻め取ってしまいましょう。” というのを聞いて、”人間は満足することを知らないもの。隴を得たのに、その上、蜀まで望むとは？”と言ったという故事からの四文字熟語の様です。

講師は、これらの９つのエピソードの内、１・２・６は知っていましたが、他は聞いたこともありませんでした。新鮮な四文字熟語が沢山あります。今回、インターネット上の情報を確認して、各々の四文字熟語はどういうエピソードか背景にあるのか、理解できた次第です。やはり、熟語とその意味を深く知る・理解する・新たに知る為に、TVドラマを見ることが有益であると、三度感じています。

講師の経験が、皆様のお役に立てれば幸いです。